ブログトップ

ナースなロンドン ~Nursing in London~

nurselon.exblog.jp

イギリスで看護師になる~ONPについての私見~

最近帰国した友人から、どうしたらイギリスで看護師になることができるか聞かれた。
私自身、外国人ナースがイギリスで看護師になることが、まだ可能なのか定かではなかったので、
ちょっと調べてみた。

イギリスで看護師と働くには、Nursing and Midwifery Council(NMC)に登録することが不可欠である。

イギリスでの看護教育は3年。DegreeとDiplomaレベルがあるが、どちらも3年で、その違いは求められるエッセイやポートフォリオ(実習記録のようなもの)のレベルが違うだけで、教育自体はそう変わらないと思う。
3年で看護学校を卒業すると、国家試験なしに看護師として働くことができる。
ただし、日本のように落とさない教育や実習からは程遠く、ばんばん落ちる。
特に、3ヶ月に及ぶ最終実習では、すでにRegisterd Nurseのレベルで働けることを実証しなければならず、ここで落ちることも結構ある。
最後の実習を乗り切って、さらに卒業論文を通ったら、やっと、このNMCに登録ができる資格ができるわけ。

さて、外国人はというと、ここでは、すでに日本で看護師免許を持っているということを前提に調べてみる。

NMCのサイトにはRegistrationのページにOverseas Nurses & Midwivesという項目があった。これによると、NMC登録には3段階を踏む必要がある。
Stage 1
・初期登録料(いくらかは不明)
・初回申し込み用紙(NMCホームページより取り寄せ可能)を記入
・以下の書類のコピーを提出(公証人のサインが必要)
 看護師免許
 パスポート
 出生証明
 婚姻届(既婚の場合)
・IELTS(アカデミック) Score7
このIELTSが曲者。総合点が7であることはもちろん、Listening、Reading、Writing、Speakingすべてのセクションで7以上であることが必要なのだ。
つまり、総合点が7以上というだけなら、どれかで6をとっても、ほかで8をとれば平均7になるが、それではだめだということ。
ちなみに私のときは、総合点だけGeneral Moduleで6以上あればよかった。

Stage 2
・申込用紙を記入
・職務経歴用紙
・雇用主からの推薦状2通
・看護学校の成績証明書
・厚生省からの書類
ここで、やっと正式な申し込み用紙を記入することになる。初回申込用紙を取り寄せるのを入れると、すでに3通目。
職務経験は最低1年が必要。もし、職を離れていた場合、過去3年にさかのぼって、450時間以上働いていることが条件。ちなみに、正職員でもパートでもかまわない。
看護学校は3年間(4600時間以上)のフルタイムの学校であること。
授業のうち2300時間以上の実習、1533時間以上の看護学の授業が含まれていること。
さらに、内科看護、外科看護、小児看護、母性看護、精神看護、老年看護、地域看護のそれぞれの授業時間数と自習時間数が証明書に記入されていることが望ましい。

Stage 3 Overseas Nurses Programme(ONP)
Stage2が成功した場合、NMCから登録に必要な条件の書かれた書類、いわゆるDecision Letterが送られてくる。ここで、やっとONPに入ることになるわけだ。
ONPとは、イギリスの大学が運営するコースで、
通常20日間の大学での講義と、
NMCの条件に見合う期間のSupervised Practiceの2つからなる。
Supervised Practiceは臨床実習で、
たいていは半年間病院で受けるのが普通だが、期間はDecision Letterに明記してあるはず。
以前はNursing Home(老人ホーム)でも受けられたが、今はどうだろう?
多分ONPを運営する大学に付随するNHSの病院で受けるのが今のスタンダードであると思う。
このONPを運営する大学はNMCのサイトからLinkされている。
http://www.nmc-uk.org/aArticle.aspx?ArticleID=2566#top
これを見ると、ONPは非常に狭き門だ。
大学によっては、講義のみでSupervised Practiceは提供していないところもある。
自分で、別々に申し込むのだろうか?
そうすると、決まって出てくるのが、鶏が先か、卵が先か?の問題。
きっと病院ではONPを先に、と言い、大学では実習を先に、と言い出すに違いない。


更に、Visaの問題がある。
どのVisaでこのONPをするのか?
私がSupervised Practiceをやったときは、病院がWork Permitを申請してくれた。
というのも、半年間はC Grade(Registerd NurseはDからスタートする)としてお給料が出たから、普通の職員扱いだったわけ。
今現在、看護師としてNMCに登録している外国人ナースでも、
Work Permitの申請が必要な場合は転職が非常に難しい。
ましてや、登録前のナースにVisaを出してくれる病院はまず見つけるのが相当難しいと思う。
以前はStudent Nurse Visaというものがあったが、
Home Officeのウェブサイト上では2006年の情報を最後に更新がない。
ということは、このVisaも難しそうだ。
そもそも、昨年の4月からVisaはポイント制に移行し、Work Permit自体がなくなってしまった。
私は現在働いている病院がSponsorとなり、Tier 2ビザで働いている。

以上を総合するに、
まず、IELTSの7をとることからしてなかなか難しく、
ONPの門は狭く、
更にVisaの問題もあり、
イギリスで看護師になるのは不可能ではないが、非常に難しいと言わざるを得ない。
たまたまイギリス人またはEU圏内の人と結婚し、
Visaの問題がない場合はがんばって見る価値があるかもしれないが・・・。
だいたい、不景気になると、看護職の人気が上がるものなのだ。
大学を卒業したものの、就職できないでいる人が看護学校に流れる、
というのが日本でもあった。
また、イギリスの経済が上向きになって、看護師がものすごく足りなくなれば、
状況は変わるのだろうけれど、
今のところは非常に難しいというのが私の印象です。

[追記]
2012年になり、情報をアップデートしました。
こちら
[PR]
by mango55mango | 2010-04-03 01:22 | アダプテーションコース | Trackback | Comments(6)
トラックバックURL : http://nurselon.exblog.jp/tb/14085072
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented at 2010-04-05 01:42 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by rmoko11 at 2010-04-05 18:49
さすがMangoちゃん。
今度誰かに聞かれたらこれ読むようにすすめるよ。
IELTS7なんて私には無理です・・・
Commented by mango55mango at 2010-04-06 16:45
鍵コメ様
為になる、といっていただき嬉しいです。私も調べてみて、本当に難しくなったな~、と愕然としてしまいました。以前にも書いていますが、今の私でもIELTS7は取れないだろうなあ。私のDecision LetterにもIELTSが必要とは明記されていなかったのですよ。でも、NHSで実習するのに、英語力の証明をしなければならなかったので、結局必要でした。それでもGeneralで6だったんですよね~。
でも、IELTSやONP探しは自分でがんばれたとしても、Visaばかりは自力ではどうしようもないのでね~。まずはそこだと思います。
Commented by mango55mango at 2010-04-06 16:49
mokoちゃん
え~、どーも、どーも。いやん、さすがだなんて・・・。
下のボランティアで、就職に有利と書いたのは、あなたのことですよ。わたしも、面接でNHSでボランティアをしていたというと、面接官の食いつきが良かったもんね。昨日は楽しかったね~。行ってらっしゃ~い!
Commented at 2012-04-27 11:44 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by mango55mango at 2012-05-02 01:31
鍵コメさま
新しい記事をアップしましたので、参考になさってみてくださいね。
<< Ennio Morricone... イギリスの病院でボランティア >>